元陸上自衛官の五ノ井里奈さんに対して、わいせつな行為をしたとされる元同僚の被告3人の公判が、25日、福島地裁で開かれ、被告の1人は「五ノ井さんはうそをついていると思う」などと述べ、改めて無罪を主張しました。
強制わいせつの罪に問われているのは、福島県の陸上自衛隊郡山駐屯地に所属していた元陸上自衛官の被告の男3人です。
起訴状によりますと、3人はおととし8月、北海道の演習場で当時同僚だった五ノ井里奈さんに格闘技をかけてベッドに倒し、覆いかぶさって下半身を押しつけるなど、わいせつな行為をしたとされています。3人は、6月の初公判で起訴内容を否認し、無罪を主張していました。
25日は被告Cへの被告人質問が行われました。被告Cは、検察からの「五ノ井さんはうそをついているのか」という質問に対し「五ノ井さんの記憶はあいまいだと思う」と答えました。また、「五ノ井さんが性被害を訴えたのはどうしてだと思うか」と問われると「訓練を途中で抜けるため、うそをついたと思う」と話し、現在も「五ノ井さんはうそをついていると思う」などと答えました。
また、五ノ井さんが「命を削って闘っている」と証言したことについて「自分も家族がいて、自分も命を削って闘っている」と主張しました。
五ノ井さんは、裁判の後、取材に応じ「正しい判決が出るまで自分を貫いて闘い抜きます」とコメントしました。
次回の裁判は10月30日に開かれ、結審する見込みです。
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