福島県内では連日、クマの目撃や被害が相次いでいます。住宅近くなど人間の生活圏でも被害が出ていることから、福島市では13日、異例ともいえる訓練が行われました。

13日午後の福島市あづま総合運動公園。黒い物体が、目の前を横切りました。

訓練

パトカーに、猟友会。現場は、物々しい雰囲気ですが…。

植野天斗記者「福島市のあづま運動公園にクマが出たという想定で訓練が行われています」

訓練

これは、県内で相次ぐクマの被害を受け、県と福島市が主催した訓練です。警察や猟友会なども参加し、クマを捕獲するまでの連携を確認しました。まさに異例ともいえる訓練。今年のクマの目撃件数は、4月から6月までで、200件を超え、過去最多のペースで増え続けているのです。

福島市では6月、住宅の敷地内で男性が親子グマに襲われけがをするなど、ここ数年でクマの生活圏は市街地にまで迫ろうとしています。午前中には、初めてとなる住民説明会も開き、危機意識を共有しました。説明会では、野生動物の生態に詳しい福島大学の望月准教授が、クマの生態や身を守る方法を説明しました。

福島大学食農学類・望月翔太准教授「市街地での出没が増えてきているので、山の中ではなく市街地にクマが出たことを想定して行動する必要がある」

県自然保護課・吾妻正明課長「クマ鈴やラジオ(の持参)、朝夕の行動を気を付けるなど注意してクマから身を守ってもらいたい」

県ではクマの出没について、秋のはじめごろまで増え続けるとみていて、8月末まで県内全域に特別注意報を出して注意を呼びかけています。