福島第一原発の処理水を海に放出するための設備について、5日、原子力規制委員会は検査の合格を示す「終了証」を7月7日に東京電力に交付する予定で、手続きを進めていることを明らかにしました。終了証が交付されれば、海洋放出するための設備面の準備はすべて整うことになります。
原子力規制委員会は6月28日から30日まで、原発構内に入って、処理水を海水で薄めるための設備や、トラブルがあった際に、放出を止める「遮断弁」が、正常に作動するかなどを調べていました。
5日、原子力規制委員会は午前10時半から定例の委員会を開き、その中で、東京電力に対し、7月7日に検査の合格を示す「終了証」を交付する予定で手続きを進めていることを明らかにしました。
処理水の海への放出をめぐっては、4日にIAEAのグロッシ事務局長が岸田総理と面会し、処理水の海洋放出計画に関する評価を盛り込んだ包括的な報告書を手渡しました。その中で、グロッシ事務局長は「国際的な安全基準に合致している」と説明しています。
その一方で、福島県内の漁業者をはじめ、国内外で反対や懸念の声が多くあがっていて、理解醸成に向けた政府の対応が求められています。