原発事故で一時すべての住民の避難が余儀なくされた福島県大熊町。町では4月、12年ぶりに学校機能が再開し、子どもたちの姿が戻ってきました。
響き渡る子どもたちの「元気な声と笑顔」。ここは、大熊町の復興拠点・大川原地区です。震災、原発事故から12年。4月、町内で学校機能が再開し、子どもたちの姿が戻ってきました。

出迎えた大熊町民「うれしいです。何もない所に引っ越してきたので、お試し保育をやっていて、子どもがいっぱい行ったり来たりしていてうれしい」
「始まりの式」には、26人の子どもたちが出席。校舎は現在建設中のため、しばらくの間は、町内の施設で授業を行います。

先生「天気をやっていたんですが、まずは教科書を開いてみようかな」
役場の会議室を覗いてみると、5年生の理科の授業が行われていました。

大熊町に新たに設置された「学び舎(や)ゆめの森」は、「認定こども園」と小中学校が一体となり、0歳から15歳までが一緒に学びます。
後藤愛琉さん「大きい雲・・・積乱雲?」
小学5年生の後藤愛琉(あいる)さん。震災後に生まれ、大熊町で暮らすのは初めてですが、学校生活は楽しそうです。

子どもたち「おいしい給食いただきます!」
コロナ禍では、行われなかった対面式での給食。子どもたちの笑顔も戻ってきました。
愛琉さんの弟、1年生の琉清(りゅうせい)くんも「学び舎ゆめの森」に入学しました。
後藤琉清くん「僕は自転車すごく大きいのを持っている」

子どもたちも新しい生活に慣れてきたようです。
後藤愛琉さん「一緒におしゃべりして食べられるのが楽しいなと思っています」
放課後、琉清くんは、自慢の自転車遊び。

後藤さん家族は、これまで猪苗代町で避難生活を送っていましたが、子どもたちの教育を考え、4月から大熊町に戻ってきました。
母・後藤仁美さん「色々不便なこともありますが、やっぱり子どもたちが楽しそうにしているので良かったなと思います」

後藤琉清くん「楽しいです。色々遊んだり食べたりするのが楽しいです」
12年ぶりに戻ってきた「町の宝」。町民たちも歓迎しています。