原発事故後、福島第一原発では放射性物質トリチウムを含む処理水が溜まり続けていて、東京電力は、現在、海への放出に向けて準備を進めています。事故から12年を迎える福島第一原発の現状を、奥秋直人キャスターが取材しました。
奥秋キャスター「事故が起きた1号機から80メートル離れた場所に来ています。原発事故直後は全面マスクなど重装備で入らなければなりませんでしたが、除染作業も進んで軽装で立ち入ることができるようになりました」

事故から間もなく12年を迎える東京電力福島第一原発。
構内は、モルタルで地面などを覆う作業がほぼ完了したため、放射線量が下がり、敷地全体の96パーセントは防護服を着用する必要がなくなりました。一方で、水素爆発が起きた1号機では、建屋の鉄骨がむき出しになったままにになっていて、事故当時の爪痕を色濃く残しています。

12年前、多くの人の人生、そして地域を一変させた福島第一原発の事故。メルトダウンを起こした1号機から3号機の原子炉には溶け落ちた核燃料、「燃料デブリ」が残り、その量は880トンあるとされています。
東京電力は、2023年度後半に初めて2号機の格納容器から燃料デブリを取り出すことにしていて準備を進めています。
こうした中、福島第一原発はことし”大きな山場”を迎えようとしています。
奥秋キャスター「私の左右、そして後ろには巨大なタンクが沢山並んでいるこの中にはトリチウム以外の大部分の放射性物質を取り除いた処理水といわれるものが入っています」

福島第一原発に立ち並ぶ、高さおよそ10メートルの巨大なタンク群。保管されているのは、放射性物質・トリチウムを含む「処理水」です。
奥秋キャスター「いま私の手にあるのが処理水です。ご覧のように見た目は普通の水と全く変わりません」
