国の天然記念物に指定されている福島県三春町の滝桜


福島県で有数の桜の名所・三春町の「滝桜」に魅了され、その子孫を育てながら、故郷への思いを馳せる男性がいます。男性の故郷は、浪江町の帰還困難区域。桜から見える故郷への思いとは。


福島県で最も愛されている桜の一つが、三春町の滝桜です。文字通り雄大な滝を思わせるシダレザクラで、1922(大正11)年に国の天然記念物に指定され、樹齢は1000年とも言われています。毎年、多くの観光客で賑わう県内随一の「お花見スポット」です。

この「滝桜」の生命力に魅了され、自宅でその子孫を育てながら、故郷への帰還を心待ちにしている原発事故の避難者がいます。

浪江町・赤宇木地区から避難している今野幸四郎さん


「満開は過ぎたという感じだな」

今月12日、少し葉が目立ち始めた小さな「滝桜」を前にそう話すのは、浪江町の帰還困難区域・赤宇木地区から本宮市に避難している今野幸四郎さん(86)です。

今野さんの避難先に咲く「滝桜」の子孫


自宅の庭に植えているのは、福島県三春町の滝桜の子孫です。その姿は、本家の滝桜そのもので、育て始めてから11年が経ちました。

今野幸四郎さん「震災前から種をもらってまいてあったの。たまたまこれは2011年2月にまいた種だった」

震災直前から育てていた桜はおよそ200本といいます。なぜ、それほどの桜が必要だったのでしょうか。