長引く連日の猛暑は、さまざまな面に影響が及んでいます。この時期、出荷が盛んな福島県内産のトマトにも異変が起きています。
吾妻康弘記者「郡山市湖南町です。いまがちょうど生産がピークを迎えているトマトですが、この猛暑続きで少なからぬ影響が出ているようです」
郡山市湖南町で農業を営む会社「美農然(みのぜん)」のトマトを栽培するハウスでは、今年、収穫量が去年の3分の2ほどにとどまっているといいます。その理由は、猛暑にありました。
美農然・齋藤章輔代表「高温化による花落ち、奇形果あとは虫の被害がけっこう多いです」
なかでも虫の被害は・・・。
齋藤代表「こういうのが虫の被害ですね、入り込んじゃってこういう風に(虫が)食べていってしまう、穴が開いてしまう。こうなってしまうと出荷できないので。虫が発生しやすい条件がちょっと揃ってしまったのかなと思います」
こうした影響は齋藤さんのところだけではなく、多くのトマト農家に出ていて、さらに、実が割れたり、実をつけずに花が落ちたりするものも目立っています。
湖南町では現在、トマトの収穫量が去年の9割ほどで品質の良い大ぶりのものが減っていました。JA福島さくらの選果場ではいつもの時期なら、首都圏方面に出荷するトマトの箱で山積みになるはずですが、その数は多くはありません。こうしたことからトマトの供給は全国的に少なくなっていて、店頭価格は農水省の調査によりますと1キロあたり866円と平年の1.3倍ほどになっています。
齋藤さんのところでは、今年、暑さに強い品種の量を増やしましたが、この猛暑は予想を上回るものでした。
齋藤代表「暑さに強い品種も今年ちょっと割れが出てきたりしているので、もうちょっと工夫が必要かなと思います」
ここ数年続く高温で年々収穫量が減っているとあって、来年以降の対策も視野に入れています。
齋藤代表「来年とか考えると、遮熱材とか遮光材っていうものをちょっと考えなきゃいけなのかなと思っています」
9月に入っても続く暑さは、夏だけでなく、さらに次の季節の野菜の苗の育ちにも影響を及ぼす可能性があり、高温の影響は長引くかもしれません。
