20日に行われる福島県高校駅伝。学法石川は、男子11連覇、女子6連覇中で全国の強豪として知られています。今年も、男女ともに優勝候補筆頭の呼び声高い学法石川。男女のエースに注目しました。

高校陸上界で名を馳せた名門・学法石川。今年の部員は男女合わせて過去最多の100人。全国の頂(いただき)を目指して日々研鑽を積んでいます。

なかでも、男子チームにはある特徴が。

Q.学石にはどこから?
学法石川3年・小田切幹太選手「長野県の宮田中学校。スピードを磨くために学法石川高校に入学した」

学法石川3年・薄根大河主将「栃木県出身。学石には松田監督のもとでスピードと自分の精神面を鍛えるために来た」

松田監督は、持久力よりもスピードを重視した指導で、幾多の「箱根ランナー」を輩出してきた名伯楽。その指導法に惹かれ、全国から多くの選手が集まったのが、今の3年生の世代なのです。

それゆえに選手たちの意識は高く…。

学法石川3年・小田切幹太選手「(3年生は)我が強い。みんな主張的」

選手たちが話す「我の強さ」。それは、練習風景を見ても一目瞭然。

例年、ポイント練習は、松田監督の設定タイムに合わせて集団で行っていますが、今年は、そのタイムよりも速い設定タイムを自ら提案し、単独で走る選手の姿も。選手の意識の高さがチームの士気を高め、メンバー争いは熾烈を極めました。

そんな今年のチームで中心となるのは、新潟県出身の大湊柊翔選手。

学法石川3年・大湊柊翔選手「自分の持ち味は、ラストのロングスパートが上がるところだと思っていて」

大湊選手は、5000メートルで13分台の自己ベストを持つ逸材。今年の県高校陸上5000メートルでは、安定感のある走りで優勝しました。

しかし、この夏のインターハイでは、予選で脱水症状に。かろうじて決勝には進出しましたが、決勝では目標の8位入賞に届かず、15位。大舞台で、人目をはばからず涙を流しました。

学法石川3年・大湊柊翔選手「何もすることができなくて、すごい悔しい。駅伝シーズンではしっかり全国の人たちと戦えるぐらいの力をつけていきたい」

あれから2か月半。「我の強い」仲間たちと切磋琢磨してきた大湊選手。前人未到の12連覇がかかる県高校駅伝で、チームを優勝へと導きます。

学法石川3年・大湊柊翔選手「先輩たちがつないできてくれた連覇だと思っているので、ひとつの記録を塗り替えるためにがんばっていきたい」