調理を始めたと思ったら、今度は紙芝居を書き始めました。
彼女たちの、活動の先には、あるテーマがあります。
『地域の人たちを少しでも助けられるように』
『食べることは幸せだなって思います』
『周りの人も幸せになれるし、プロジェクトをしている自分も幸せなので』
食べることが大好きな仲間たち。
9人の部員たちが考えるのは、県民の健康と幸せな暮らしです。
福島県立喜多方高校。
旧喜多方高校と喜多方東高校が統合され、2021年、新たにスタートをきりました。

統合前の「調理部」と「家庭科クラブ」がひとつになったのが「生活部」。

永井先生
「生活部になって今年で4年目になるんですが、実は私が生活部って名前を付けたんですね。生活をするのって常に学んでいかないといけないと思うんです。生徒達には授業以外で部活動っていうところで、いろんな学びをしてほしいって気持ちがありました。」
健康について考え、子どもたちのための食育、さらに商品の開発までする。
いわば、生活改善の探究者たちです。

そして、創部当初から力を入れているのが「幸せのキクイモプロジェクト」。

佐藤 心さん
「福島県でメタボ率が高いっていうのがあったんですけど、それを何とか改善できないかって思っていた時に、熱塩加納町の『夢の森花の散歩道委員会』の人たちがいらっしゃって、そこで『キクイモ』っていう健康食材を作っていて。」
『キクイモ』とは、イモとはいうもののイモの仲間ではありません。
見た目がショウガに似た、キク科の植物。
栄養価が高く、健康食材として注目されています。

そして調理方法も豊富であることから、地元企業と連携しキクイモを使ったスイーツの商品開発を進行しています。

さらにオリジナルレシピを使ったキクイモ料理を、会津地域の学校給食でも振舞うなど、食育にも力を入れています。

この日は、白米が苦手な子どもたちのためにキクイモを使ったふりかけの試作中。
これなら食が進むはず。

長谷川 咲季さん
「わたしは何でも食べられるので、そうゆう自分だからこそ小さい子に、おいしいよっていうのを伝えていきたいなみたいな。」
長谷川 璃央さん
「この部活に入ってみて、自分の知らなかったこととかもたくさんわかって、食べ物をより大切にしようかなって。」
部活動を通して、改めて実感するのは食の大切さとそれが健康へとつながり、行きつくところには幸せが待っているということ。
だからこそ、今もっとも彼女たちが重要だと思い取り組み始めたのが“食育”です。
佐原さん
「動画とかもわかりやすいと思うんですけど、ただ物語として伝えた方が、
小さい子には伝わりやすいかなっていうところで紙芝居。」
好き嫌いや、食べ残しの問題をわかりやすく理解してもらうために、紙芝居を作り、食べることの大切さを伝えています。

そして、今年、新たなテーマは「食事のマナー」。
子どもたちに伝えるには、どう表現するのが一番か。
見落とされがちな問題を、自分たちも再認識しながら物語を描きます。
佐藤 もみじさん
「やっぱり食べる楽しさとかも知ってほしいので、私たちの活動を通してやれることがあるなら伝えたいなって思います。」
佐原さん
「やりがいというか、いろんなこの活動していてよかったっていうのが、すごくある部活だなって思います。」
傘木さん
「この活動を、これから高校卒業してからは絶対できないものだと思って、かけがえのない時間を過ごしているんだなって思います。」
喜多方高校生活部は、日常生活の当たり前を見つめなおし、幸せの輪を広げています。
『ステップ』
https://www.tuf.co.jp/general?id=147
福島県内にて月~金曜日 夕方6時15分~放送中
(2025年3月12日放送回より)