福島県南会津町は、22日、町が所有する16の観光施設のうち、スキー場など3か所について今後、閉鎖する方針を議会に示しました。これに対し、議会側からは、「閉鎖ありきで考えるべきではない」との異論が相次ぎました。

関根佑記者「きょうはこのように団体客などでにぎわうこちらのスキー場ですが、南会津町は今後閉鎖する方針を示しています」

南会津町のだいくらスキー場。合併により南会津町が誕生した2006年には、年間およそ9万2000人が利用していました。

しかし、暖冬や新型コロナウイルスの影響で、おととしの利用客は6万7000人ほどまでに減少。国からの補助金も減少し、財源の確保が難しい状況が続いています。

町は、観光施設の評価を外部に委託し、その結果などを受けて、このだいくらスキー場と、高畑スキー場を2030年度で閉鎖する方針を示し、議会の全員協議会で説明しました。また、観光案内所も来年3月に廃止する方針です。

全員協議会では、「閉鎖ありきで考えるのではなく継続に向けて対応策を考えるべき」といった意見が相次ぎました。

南会津町・渡部正義町長「なくなることについての住民の不安、関係する方の不満があることは承知していますが、いずれかの時点で踏み出していかないと町としてもいろいろなところに影響が出てくる」

渡部正義町長は、議員から「閉鎖」という言葉に関する指摘が多かったとの認識を示し、次のように述べました。

南会津町・渡部正義町長「閉鎖という2文字は非常に大きなマイナスがあるという発言が結構多かった。ここは修正の余地がある」

町は2月に町民が参加するタウンミーティングを開き、その議論を踏まえた上で、今年6月に、観光施設の今後の方針を改めて示す予定です。