2020年に32人が死傷した福島県郡山市の飲食店爆発事故をめぐり、検察審査会から「不起訴不当」の議決を受け、再捜査していた福島地検は26日、ガス設備の点検を担当していた50代の男性を在宅起訴しました。
この事故は、郡山市で「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」が爆発し、当時、作業していた男性1人が死亡、27人が重軽傷を負ったものです。国の報告では、店内のガス管が腐食したことでガスが漏れ出たことが爆発の原因とみられています。
事故をめぐっては、運営会社の社長ら5人が業務上過失致死傷の疑いで書類送検され、去年5月、福島地検は「過失を認定することが困難」として不起訴処分としました。
被害にあった女性は、この処分を不服として検察審査会に申し立てを行い、今年1月、審査会は「不起訴不当」の議決をしました。
議決を受け、再捜査していた福島地検は、26日、当時、ガス設備の点検を行っていた団体職員の50代男性を業務上過失致死傷の罪で在宅起訴したと発表しました。
起訴状によりますと、男性は、必要な調査を実施せず、ガス管が著しく腐食していることを見落としたなどとされています。また、亡くなった内装業の男性を除く3人については、改めて不起訴処分としました。
検察審査会に申し立てた被害者の女性は、代理人を通じて「刑事裁判の道が開け、ようやくスタートに立てたように思う。裁判で真実が明らかになり、責任の所在が明確になることを望む」とコメントしています。
【関連記事】
▼「しゃぶしゃぶ温野菜」爆発事故、検察審査会が不起訴不当 運営会社の「コンプライアンス軽視」にも着目
▼「忘れたくても忘れられない」しゃぶしゃぶ温野菜爆発事故不起訴 被害者“検察審査会”に申し立て
▼「しゃぶしゃぶ温野菜」爆発事故、社長ら5人不起訴 32人死傷230棟被害 福島地検「過失認定は困難」