再起を後押しした泥まみれの「レシピ」

2011年3月11日、東日本大震災の津波で千葉さんの店舗兼住宅は全壊。奇しくも、3月11日は千葉さんの70歳の誕生日でした。

ブリアン 千葉秀男さん:
「誕生日だから早くあがって寿司でも食うかなんて言ってたのさ」

変わり果てた店を見て「引退」も考えたという千葉さん。震災発生から1ヶ月後、ガレキの中からあるものを見つけます。

千葉秀男さん(当時71):【2012年12月取材】
「泥まみれになって(作業台の引出しに)入ったままだった」

見つかったのは、手書きのレシピ。30年以上書き溜めたもので、一枚一枚、泥を拭いて修復しました。

千葉秀男さん(当時71):【2012年12月取材】
「宝物みたいな感じ。これがなかったら(また店を)やらなかったかも」

改修工事や調理器具を一新し、2012年10月、気仙沼市内湾地区の震災前とほぼ同じ場所で店を再開させました。

お客さん:
「いつも子どもと来ていてオープンするの待っていた。うれしい」
千葉秀男さん:
「儲けなくてもいいから、まずお客さんに喜んでもらえるように」