特集はシリーズSDGs「つなごう未来へ」。まずはこちらをご覧ください。これは全国で登録されているハイブリッドカーと電気自動車の台数を表したグラフです。2012年から2022年までの10年間でハイブリッドカーはおよそ5倍に、電気自動車はおよそ10倍に台数を増やしています。

この車に使われているのがリチウムイオンバッテリーで、使用量は増加していますがその材料や仕組みからリサイクルが難しいという課題があります。そんな使用済みのバッテリーを使って新たな発電システムを開発し再利用を目指す研究が仙台市内の大学で行われています。大友記者の報告です。
希少な金属使用「リチウムイオンバッテリー」再利用難しいわけは・・
「これがリチウムイオンバッテリーになります」
仙台市内の自動車解体工場でハイブリッドカーから回収されたリチウムイオンバッテリーです。重量が大きく外装も頑丈です。また、劣化が激しいものは発火する恐れがあり解体するのも難しいためメーカーに返却するしかなく、一般の業者はなかなか取り扱えないといいます。

県中古自動車解体再生部品卸協同組合 平地健理事長:
「自動車メーカーや業界団体でいろいろな勉強はしているんですけど(リチウムイオンバッテリーを)活用するというか取り組むことが非常に少ない、経験がまだ足りないっていう感じ」

環境問題への配慮から急速に市場を拡大しているハイブリッドカーや電気自動車。搭載されるリチウムイオンバッテリーにはリチウムやコバルトなど希少な金属=レアメタルが使われています。

東北工業大学の下位法弘教授によりますとこれらを元の金属素材として低いコストで効率的に取り出し再資源化することが望まれていますが、現状では、技術が確立されておらずほとんどが焼却処分になるといいます。
東北工業大学 下位法弘教授:
「材料も希少な金属を使っているが、それを取り出す技術も研究されている段階で実際に確立もされていないので、バッテリーってほぼ使い捨てっていう形になっていてなんとか元の材料の形に戻さなくてもせっかく電池という形になっているから上手く使いまわせないかなというところは常々考えていた」
