「人と動物の懸け橋になりたい」
それは、2011年3月に起きた東日本大震災での経験からです。
田中悠介さん:
展示していたビーバーが海水をかぶってしまって。結局、立て続けに2頭、最後、もう1頭亡くなったので、3頭かな、亡くなっているんですよ。本当に今でも、もっと早く気づいてあげられればと。後悔していました」
2011年3月11日。当時、勤めていた松島水族館が被災。

アメリカビーバーの体調や食欲に変化がなかったものの、結局、脱水症状や低体温症によりビーバーは命を落としました。

田中さんは飼育員と積極的にコミュニケーションをとることで情報を共有し、動物の体調の変化に早く気づく。それが命を守ることに繋がると考えています。
田中悠介さん:
「人と動物の懸け橋になりたいと、入社1年目当初から考えているんですけど、獣医師として専門的な話をしてあげたりとか、あとはアホなことも言うので、和ませられたらと。懸け橋という意味では動物だけでなく、人同士もつなげてあげられるような人間になりたいとおもっています」

午後5時。ミーティングが終わり、1日の業務が終了しました。
田中悠介さん:
「きょうも1日精一杯やりましたけど、少しでもね、ちょっとずつ前に1日1日進めたらいいなと思っているんですけど、きょうもちょっと進めたんじゃないかと思います。お疲れさまでした」

田中さんは、きょうもみんなをつなぐ架け橋となって水族館の命を守り続けています。