2晩を沖で過ごした高橋さん

高橋頼夫さん:
「ああいうのは生まれて初めて見ましたね。(陸を)白くなって駆け上がっていくのが見えましたね、波が」

沖合には、高橋さんと同じように多くの船が避難していました。

高橋頼夫さん:
「沖にいて船をくっつけるなんて言うことはできないのね、本当は。沖にいれば波があって。でもあの日はべた凪で、次の日もべた凪で。船をくっつけて、志津川の小さい船もわきに着けて。フライパンと米と水しかない。あと即席のラーメンが少しあったぐらい。それをみんなで分けて食べました」

あの日、南三陸町には雪が降りました。

高橋頼夫さん:
「寒かったねえ。寒かった。(他の人が)濡れてきたから、うちの船はストーブがあったからストーブで(温めた)」

2晩を沖で過ごした高橋さん。3日目にようやく港に戻ると、広がっていたのは変わり果てた姿でした。