7日朝、宮城県内各地で多発した路面凍結によるスリップ事故について、専門家は雨で濡れた路面が凍りつく「ブラックアイスバーン」が発生したとみています。その怖さとはいったい?

宮城県内は6日夜から7日未明にかけ、気圧の谷の影響で所々で雨が降り、山沿いを中心に雪も混じりました。朝はやんだ所が多くなりましたが、寒気や放射冷却の影響で予想以上に冷え込みが強まり、最低気温は低い所では氷点下2度前後まで下がりました。

専門家はこうした気象条件が事故につながったとみています。

JAF宮城支部 佐藤陽事業係長:
「雨が凍結してしまったという状況で、いわゆるブラックアイスバーンになっていたと思われます。現場に向かったロードサービス隊員の話によると、走行中に突然スリップしてしまってコントロールを失ったという話を聞いているようです」


こちらの実験映像は、上下とも同じような路面に見えますが、上がブラックアイスバーン、下が濡れただけの路面でそれぞれ車がブレーキをかけてから止まれるまでの距離を比較したものです。ブラックアイスバーンは、止まるまでに70メートル近く、濡れた路面の6倍以上の距離がかかりました。


JAF宮城支部 佐藤陽事業係長:
「(ブラックアイスバーンは)凍結している・いないの区別がつきにくいということと、あと突然滑ってしまう、予測がつきづらい状況になると思います。スピードを落としていつでもコントロールしやすいよう備えることが必要です」


県内は7日夜も西部を中心に雨や湿った雪が降りそうです。そして、8日朝の最低気温は7日に比べると2、3度高く、氷点下の所はほとんどない予想です。


ただ、冷たい空気は重たいため下の方にたまることから、路面の温度はさらに低くなり、このくらいの気温でも凍結することが考えられます。
JAF宮城支部によると、7日のスリップ事故は、特に橋の上で多かったということです。

橋は、上も下も風通しがよく、上下から冷やされるため凍結する可能性が高いということで、8日朝にかけてもこうした場所を中心に路面の凍結に注意してください。