14年前の避難所では…

2011年3月11日、東日本大震災発生直後の仙台市内の避難所です。体育館の床にブルーシートを敷いただけで仕切りなどもありません。当時、避難所の劣悪な環境の中で体調を崩す人は少なくはなく、県内で災害関連死と認定された人は932人に上っています。

震災後、国や自治体は避難所の環境改善に取り組み、現在、県内では指定避難所や一時避難場所に、段ボールベッドや簡易トイレなどの衛生面に配慮したアイテムが備蓄されるようになりました。しかし、去年1月の能登半島地震では、こうした東日本大震災の教訓が十分には浸透していない現状も浮き彫りになりました。

能登半島地震の被災地で医療支援 植田信策医師(2024年1月取材):
「(東日本大震災の時と)あまり何も変わっていない。同じような避難所環境が繰り返されている。土足で雑魚寝をしていると人が歩くことで粉塵が巻き上がる。粉塵を吸うと、そこに含まれているウイルスや菌を吸い、肺炎を起こしたり喘息を起こしたりする」

内閣府が、東日本大震災以降の大規模な災害を調査対象にまとめた災害関連死の事例集によりますと、関連死の死因のうち6割以上を呼吸器系または循環器系の疾患が占めています。