2010年にMuse細胞を発見した東北大学の出澤真理教授。先月、治療薬の開発する権利=特許をシンガポールにあるイギリス資本の会社に譲渡しました。

東北大学大学院医学系研究科細胞組織学分野・出澤真理教授「今回は本当につらい決断でしたけど、これ以外に道がないという状況に追い込まれたので。もう少し日本の状況が違ったら当然こういう状況にはなっていない。」
実はもともと、実用化を目指し国内の会社と開発を進めていたMuse細胞による治療薬。しかし2022年、早期承認制度の適用申請は納得のいく説明のないまま国に門前払いされました。その後、開発を進めていた会社側の治験の結果が研究チーム側の記録と大きく異なるなどの問題も生じ、国内での実用化は白紙となっていました。

東北大学大学院医学系研究科細胞組織学分野・出澤真理教授「会社側に問い合わせても理由を説明することなく一方的に事業を徹底されてしまった。」