征夷大将軍の“生兵法”

戦国時代を生き抜き、当時の平均寿命をはるかに上回ることができた家康公から私たちはなにか学べるでしょうか。松田医師は「自分で薬を調合するほどだったので健康管理には長けていたようですが、主治医の片山宗哲の診断を退け、腹のしこりをサナダムシ(条虫)と自己判断し、虫下しの薬を服用したと記録が残っています。しかも、片山が服用を控えるようにと進言すると立腹し、彼を信州の諏訪高山に流罪にして自己治療を続けています。当時はがん治療技術はありませんでしたが、主治医に従っていればもう少し生きられていたかも知れません」と説明します。
その上で「自己診断・自己治療をする患者さんは現代でも見受けられますが、適切な治療のタイミングを逃し、症状を悪化させてしまいます。体調が悪くなったら早めに受診し、出された薬は飲み切るなど、医師の指示に従ったほうが良いのは現代でも同じことではないでしょうか」と早期受診、早期治療の大切さを強調しました。