手をかざすと音が鳴る不思議なマトリョーシカ…。メイドイン浜松の電子楽器「マトリョミン」です。

開発したのは、浜松市の楽器メーカー「マンダリンエレクトロン」の竹内正実さんです。マトリョミンは触らなくても音が鳴る不思議な楽器ですが、どのような仕組みになっているのでしょうか。

<マトリョミン開発者 竹内正実さん>
「じゃあ、開けてみますね、こんな風に、この中に入っているのが全部テルミン」

テルミンとは1920年代にロシアの物理学者レフ・テルミン博士が発明したといわれる「世界最古の電子楽器」。垂直、水平方向に設置されたアンテナから電波が出ていて、手の動きで音の高さや音量を変えています。

マトリョミンを開発した竹内正実さんはドラマ音楽を担当するなどの幅広い活躍をしているテルミン奏者です。

<マトリョミン開発者 竹内正実さん>
「テルミン演奏を普及させたい一心でマトリョミンを作ったんですね。当時テルミンって『楽器未満」だという風に思われていてこの状況を変えたかったんです」

テルミンをより手にとりやすいものにしようと、見た目がポップなロシアの民芸品マトリョーシカの中に小型のテルミンを入れた「マトリョミン」を2000年に開発しました。

その後、マトリョミン奏者は増えていき、2019年には竹内さんの弟子など289人でマトリョミンを合奏し、ギネス世界記録も樹立しました。

このマトリョミン、指を1mm動かすだけでも音が変わっていきます。記者が挑戦しました。

<マトリョミン開発者 竹内正実さん>
「この音をとってみてください。もうちょい」

<山口駿平記者>
「難しいですね。本当にちょっと動かすだけで音が変わっちゃいますね」

<マトリョミン開発者 竹内正実さん>
「知恵熱が出そうでしょ」

非常に繊細なテクニックが求められることからマトリョミンには「ある効果」が期待されています。

竹内さんはマトリョミンの演奏は脳の活性化につながるとして、高齢者向けに認知症予防のための体験サロンを開いています。この日は高齢者をはじめ20人以上が参加し、マトリョミン演奏に挑戦しました。

<参加者>
Q.マトリョミンやってみていかがでした?
「楽しかったです。うちに帰ってもやりそうな気がする」
Q.頭は使いました?
「使いました。使いました」

マトリョミンの認知症予防の効果には医療現場も期待を寄せています。浜北さくら台病院ではマトリョミンが認知症予防などに効果があるかを確かめる実証実験を行っています。

<浜北さくら台病院 泉佑樹さん>
「頭の中で鍵盤みたいに、どの形がドで、どの形がレっていうのをイメージできてないと、次どのように動かしたらレになるのかミになるのかっていうのがわからないと思いますので、ひとつの音楽療法の手段として効果を期待できるのではないかなと思います」


<マトリョミン開発者 竹内正実さん>
「音楽の力で、マトリョンミン演奏をもって認知症予防につなげて健康寿命を伸ばすということにもつなげいきたいと思っています」