静岡県熱海市がこれを出していれば土石流は防げたかもしれないと指摘されている「措置命令」。指導に応じない前の土地所有者に対して熱海市は崩れずに残った盛り土の撤去を求める措置命令を出しました。

熱海市の土石流の起点となった現場には、盛り土が崩れたあとも不安定な状態の土砂が大量に残っています。そのうちおよそ2万立方メートルの土砂について、熱海市は5月31日付けで盛り土工事を届け出た前の土地所有者に対して安全対策を求める措置命令を出したことがわかりました。

強制力のある措置命令では、土砂の崩壊や流出による災害を防止するために排水工事や土砂の撤去を求めていて、その計画を6月末までに提出して速やかに完了するよう命じています。

命令に応じない場合は行政が税金で撤去などの工事を行い、前の土地所有者から費用を回収する「行政代執行」が検討されます。

これまで熱海市は強制力のない行政指導を行った上で弁明の機会を与え、これに対し、前の土地所有者はこのように話していました。

<前土地所有者>
「それについては弁護士と相談しているので、(弁明の)文書を5月20日までに提出します、熱海市に。行政訴訟も辞さない」

しかし、期限までに弁明書が提出されることはなく、今回の措置命令の発出に至りました。

措置命令をめぐっては、盛り土の崩落前の2009年と2011年に発出が検討されるも見送られていて、行政対応を検証する県の第三者委員会は出していれば土石流災害を防げた可能性を指摘しています。この盛り土に対する措置命令の発出は今回が初めてです。