5月25日、静岡県は未就学児のマスクについて「原則不要」という指針を示しました。国よりも一歩踏み込んだ決断でしたが、子どもを預かる現場ではそう簡単にマスクを外すこともできないようです。
<寺坂元貴記者>
「午前9時半です。曇っていますが、立っているだけで暑いです。こんな中でも外で子どもたちは元気いっぱいです」
静岡市駿河区の「だきしめこども園」では青い帽子をかぶった年長の子どもたちが、みんなマスクを外して遊んでいました。
<だきしめこども園 原歩加さん>
「熱中症対策とか、マスクしていると息苦しくなるので、外ではマスクを外しています」
すでに園庭の気温は26℃近くに上昇していて、子どもたちは水分補給をしながらノーマスクでの活動を1時間ほど楽しみました。
<園児への呼びかけ>
「手洗い、うがい、マスクをしてください」
外から教室に戻った子どもたち。真っ先にしたのは…マスクの装着です。
<園児>
Q.マスクするのはいつ
「お部屋と…お外(遊びが)終わった時」
未就学児のマスクを巡っては、25日に静岡県が新たな見解を示しました。
<川勝平太知事>
「屋外で近くで会話しなければマスクはいらない。就学前のお子さまにはマスクは原則不要」
未就学児のマスク着用について、国は一律に求めるものではないという見解にとどめていますが、県はさらに踏み込み、原則不要と打ち出しました。この見解を受けても室内でのマスク着用を続けるのには理由があります。
<だきしめこども園 小林かおり園長>
「これから梅雨の時期に入ってくると、どうしても室内で過ごす時間が多くなる。感染のリスクを考えた場合、ゼロになっているわけではないので、徐々に外していくのがベストかなと」
こちらのこども園では、給食の際の黙食など、これまで子どもたちの感染対策を徹底してきました。ようやく、子どもたちの中に対策の意識ができてきたのに、いきなりひっくり返すのは無理があるという考えです。
室内でも大きな声を出すことが多い子どもたち。新型コロナは終息したわけではなく、園では感染のリスクを考慮しながらの運用が続きます。
<だきしめこども園 小林かおり園長>
「指針を出してくれたのはありがたいが、じゃあ外しましょうって一斉に音頭を取ってやるというのは環境に応じて考えていかなければいけないのでは」
こちらの園では、夏に向けて段階的にマスクを外すタイミングを検討していく方針です。