「終活」という言葉をよく聞きますが、残った財産を社会のために使ってもらう「遺贈寄付」という選択をする人が今、増えています。子どもや、孫にとっても思い出が残せて誇らしく思えるというメリットがあります。

静岡県牧之原市の図書館です。

<日本承継寄付協会 三浦美樹 代表理事>
「祖母が遺贈寄付したときの本の1冊です。おばあちゃんの部屋に入るといつも本の香りがして図書館も大好きだったと思うんです」
 
遺贈寄付などをサポートする窓口、日本承継寄付協会で代表理事を務める三浦美樹さんです。三浦さんの祖母・富貴さんは、亡くなったあと、地元図書館への寄付を希望していました。遺産のうちの10万円を使って、48冊の本を贈りました。

<日本承継寄付協会 三浦美樹 代表理事>
「地元に戻ってきた時には娘も連れてここの図書館に来ます。この図書館におばあちゃんは本をいっぱい寄贈したんだよって言うと凄く嬉しそうに誇らしげにしてここに来るのを楽しみにしています」

「遺贈寄付」とは、亡くなった時、残った財産を相続人ではなく、公益的なところに寄付することです。スポーツ関係や動物愛護など、思い入れのある分野が選ばれています。

<日本承継寄付協会 三浦美樹 代表理事>
「なかなか1万円、10万円の寄付ってそんなに簡単に出来る人ばかりじゃないと思うんですけど、亡くなった後に残ったお金、人生で使えなかったお金なので老後の資金にも響かない」

自治体にも遺贈寄付の相談が増えています。2022年4月、静岡市は情報発信を強化するため協会と協定を結びました。

富士市に住む中村まさ子さん68歳と息子の雄一郎さんです。中村さんは、遺産の一部を子ども食堂などに使ってもらいたいと考え、遺贈寄付に必要となる遺言書を作成しました。

<中村まさ子さん>
「よく子ども食堂に孫が楽しみに行ってるので、ちょっとどういうものかなと思って色々聞いて調べみて。殆どの方がボランティアでやってらっしゃる、何にも私お手伝い出来ないから少しでもと思って考えてみました」

<中村雄一郎さん>
「取り分が少なくなるって客観的に見ればそうかもしれないですけれど、そもそも父親と母親の財産を父親と母親が好きに使うっていうのは別にそれは普通の事だと思ってますし、それが亡くなった後であろうと一緒だと思っていて。むしろ母親が自分が亡くなった後のことまで考えてたっていうのが誇らしいことだと思います」

遺贈寄付には、単なるお金の寄付にとどまらない満足感があるといいます。

<中村まさ子さん>
「親が、おばあちゃんが、こんなこと考えてたんだっていうのがちょっとでもわかってくれれば嬉しいなと」

人生には、必ず終わりがあります。遺贈寄付は、社会のためになり、自分らしさを表現できる最後の機会です。