「一生に一回」と言い切れなくなった背景

水痘(水ぼうそう)ワクチンは、2014年から定期接種が始まりました。これにより、「以前は子どもの水ぼうそうの患者は多かったが、定期接種によって数は減ってきた。その一方で、親がウイルスに接する機会が少なくなり、“ブースター効果”といって、追加免疫が得られなくなり、結果として帯状疱疹を罹患する年齢が若年化してきた」(宇野医師)のです。
帯状疱疹の大規模疫学調査「宮崎スタディ」によると再発率は約6%。一度、帯状疱疹になると、ウイルスに対する免疫力があがるため、再発することはあまりないといわれています。
ただ、年が経てば、抗体も徐々に減り、そのタイミングで過労やストレスなどで免疫力が低下すれば、再びあの痛みに襲われる可能性があります。また、抗がん剤など免疫抑制を起しやすい治療を受けている場合も同様です。いずれにせよ、「帯状疱疹は一生に一回だけ」とは言い切れないのです。