<萩田真央ディレクター>
「すごく爽やかで落ち着くいい香りがします。実はこのアロマストーン、貴重な瓦でできているんです」
今回の「しずおか産」は、おうちで香りが楽しめる瓦のアロマストーンです。静岡市清水区の長澤瓦商店。瓦の施工や屋根の修理だけでなく、瓦を使った小物の販売をしています。
<長澤瓦商店 長澤玲奈さん>
Q.耳につけているイヤリングも瓦?
「そうです。これも瓦でできているんですけど、身近に瓦を感じてほしい。ただの屋根材じゃなくて意外とこういう色していたんだというのを知らない人もいる」
アロマストーンは菊とカーネーションの2種類。いったいなぜ瓦でアロマストーンを作ったのでしょうか?
<長澤瓦商店 長澤玲奈さん>
「瓦は土でできた陶器。湿気を吸って揮発してくれる」
瓦には、水分や湿気を調節する機能があるため、アロマの香りが長続きするほか、通常の瓦と同様、長く使い続けることができます。
<長澤瓦商店 長澤玲奈さん>
「実は清水にも昔、清水瓦というものがあったので、その復刻を目指して、清水の土と三河の土をブレンドした土で作っている」
清水瓦とは、清水区巴川流域の土で作られていた瓦。かつて旧清水市は瓦の生産量で全国3位を誇っていましたが、今は姿を消し、瓦文化そのものが生活から遠のいています。
<長澤瓦商店 長澤玲奈さん>
「(清水瓦の土は)ほかの地域の土と比べて、とてもきめ細かいので、よく光るような瓦が当時できたと言われています。いぶしはキラキラっと艶やかになる。これが奇麗に出ていた」
まるで芸術品のように輝くアロマストーンは、長く使い続けることでだんだんと黒っぽくなり、風合いの変化を楽しむこともできます。そして”アロマ”といえば、気になるのは香りです。
<萩田真央ディレクター>
「すごく爽やかな柑橘系の香りがする」
<長澤瓦商店 長澤玲奈さん>
「清水なので温州みかんの香りを使っています」
付属のアロマオイルは3種類の中から1つ選ぶことができます。
清水瓦を使った小物を考えた長澤玲奈さん。普段は”鬼瓦”を作る職人ですが、その技術をいかし、アロマストーンの形を作り上げます。
<長澤瓦商店 長澤玲奈さん>
「私の父は(瓦の)施工の職人。父がよく言うのは、瓦は芸術品だ。俺たちはアーティストだ。ほかの素材にはないじゃないですか、こういういぶしの色って。光っているけど落ち着いている。そういった意味でも瓦は芸術品だと思う」
1日に作れるのは多くても3つ。それでも、これから小物の種類を増やし瓦文化を広めたいといいます。
<長澤瓦商店 長澤玲奈さん>
「瓦の魅力は絶対に全世界で通用すると思うので、アロマストーンや瓦を使った小物で、全世界に清水瓦を知っていただきたくて、逆に日本に戻ってきて、そんなものが世界で人気なの?って言われるくらいの清水瓦にしたい」