■裁判官視点:「自分の出した判決がひっくり返される可能性」

裁判官の視点から見ると、自身の出した判決がひっくり返される可能性が高くなるという捉え方もあるのではー
そういった権威を守ることにどれだけの意味があるのかということです。だって、無実なのに罰を受けている、その原因が自分の判決だとすると、これはやはり裁判官として、本当に堪らないことですよ。
自分がそれを見抜けなかった、ということは非常に辛いし、悲しい思いをすると思います。だけど、本当は無実なのに、自分の出した判決のために長期拘束が続いたり、ましてや死刑の恐怖に怯えているなんていうことはあってはいけないし、もし違うんだったら、早期に正してもらいたい。
新証拠によって(判決が)覆るということになると、(自分は)見ていなかった証拠です。自分がその証拠を見ていたら、「有罪にしなかったよ」という事件も当然あると思います。
裁判官としても、再審制度があることによって救われる事がある。間違ってはいけないけれども、それでもやっぱり間違って有罪にしてしまうことは、当然あり得るわけですから、自分が関わった裁判がひっくり返されることは、職務上、ある程度覚悟せざるを得ないことなんです。

村山浩昭(むらやま・ひろあき)
東京大法学部卒、1983年に判事補任官。2012年から静岡地方裁判所の部総括判事。2014年3月、同地裁裁判長として袴田巌さんの再審開始と釈放を決定した。盛岡地裁・家裁所長、名古屋と大阪両高裁の部総括判事を務め、2021年に定年退官。2022年に弁護士登録。







