今後の裁判のポイントは

こうした民事裁判では原告側、つまり遺族や被害者側が相手の過失を立証しなければいけません。特に「災害の発生や被害を予想できたか」という予見可能性の立証が必要になります。

しかし、前の土地所有者の男性はそもそも盛り土の施工者でも主導者でもないとして、議論の入り口や前提のところを否定します。事実の食い違いがあるため、遺族らがこれを覆す証拠などを用意できるかが問われているわけです。

ただ、責任の追及の仕方は他にもあると専門家は指摘します。盛り土規制に詳しい静岡産業大学の小泉祐一郎教授は「民法上は、前の土地所有者は盛り土の土地の占有者であり所有者だったと認められるので、その土地を安全に管理する責任=無過失責任がある」と話していて、過失がなくてもいわゆる“管理者”としての責任が問えるとしています。

一方で、遺族らは前の土地所有者の男性を殺人や業務上過失致死で刑事告訴しており、実際に過失があったと立証することをあきらめていないのが実情です。