証人尋問 お互いの主張は

<滝澤キャスター>
初の証人尋問となりましたが、証言から何が読み取れるでしょうか?

<和田啓記者>
24日は盛り土の施工業者の男性と、前の土地所有者の男性が証言台に立ちました。

実はこの二人、発災してから約1年後の2022年、虚偽の説明をすると罰則の可能性もある熱海市の百条委員会で一度、証言をしています。

その際には施工業者の男性は「前の土地所有者の男性からの指示だった」と答え、前の土地所有者の男性は「自分は名義だけで、土地を貸して施工業者にすべて任せていた」として、お互いに責任を相手になすりつけるような構図となっていました。

そして24日、2人は改めて責任を否定。盛り土の施工業者の男性は「役所とのやりとりはすべて前の土地所有者の方でやっていた」、前の土地所有者の男性は「本来は盛り土の施工者がやるべき仕事。私は土地を貸しただけ」としています。

<滝澤キャスター>
前の土地所有者の男性の真意はどこにあるのでしょうか?

<和田記者>
熱海土石流災害は刑事事件に発展し、警察は家宅捜索や事情聴取を行ってきました。前の土地所有者の男性は事情聴取の際に「警察との食い違いも多く出てくるかもしれないが私は私なりの事実を申し上げる」と自らの潔白を証明する自信をのぞかせていて、ある意味、民事裁判と刑事事件における主張やスタンスに整合性を持たせる狙いもあると思われます。

原告団の一人で母親を亡くした瀬下雄史さんは「図々しいなと思う。多くの死者が出て多くの方が生活基盤を失っている。今まで通りの虚偽発言で乗り越えられるほど甘くはない」と怒りをにじませます。

発災から4年半以上経っても、「なぜ家族が亡くならなければならなかったのか」という問いに真正面から答える人はいません。