年々、減少傾向にある建設業や林業の担い手不足の解消に向け、静岡県富士市では様々な取り組みが始まっています。体験会や情報発信などを通じ、仕事に興味を持ってもらおうとしています。
10月、富士市内の小学生を招いて開かれた建設現場の見学会では、普段見る事がない道具や作業員の仕事に子どもたちは目を輝かせていました。
<小学生>
「人が頑張ってやっているから道路って作ったり通れたりできるんだなと思って」
「ここで仕事したいなと思った」
<井出組 佐野明洋さん>
「あと10年経てばこの子たちは社会に出てくる人なので、ぜひ、建設業に携わっていただければなと思います」

全国的に建設業の就業者は年々減り続けています。1997年の685万人に対し、2024年は477万人となり、高齢化が進んでいるため、次世代の成り手が求められています。
富士市では官民が連携して協議会を立ち上げ、SNSで業界の情報を発信しています。11月5日には、測量作業をSNSにあげるための撮影を実施。
<富士市建設総務課 小林真優子さん>
「(ピントが)合いそうで合わない」
<青木測量設計事務所 高栁祐介さん>
「いいんじゃないですか。よく撮れたじゃないですか」
<小林さん>
「地積測量の作業をSNSにあげたいなと思って撮影をしています。実際に中を覗くと、こういう映像が見られるんだよというのを子どもたちに見せてあげることで、建設作業をより身近に感じて興味を持ってもらえたらなということでやっています」
富士市では官民が連携して協議会を立ち上げ、SNSで業界の情報発信をしています。
<高栁さん>
「あ、これ面白そう、やってみたいっていう子どもも中にはいると思うんですよ。こういう建設業界の方に入ってもらえたらなと思っています」
<富士市林政課 井出一徳課長>
Q.みなさん何をやっているんですか
「ツリークライミングで特殊な伐採方法として、より関心を持っていただければと思っていますけど」
富士市のキャンプ場で行われた、ツリークライミングを取り入れた林業体験です。富士市が主催し、20代から30代の若い世代に参加を呼びかけました。
<井出課長>
「なかなか切る方が少ないものですから、少しでも林業に興味を沸いていただくような取り組みを富士市では進めています」

林業でも就業者の確保は課題になっています。県内の林業作業員は、2005年以降900人台を維持していますが、森林を維持・整備していくためにも若手の確保は重要です。
富士市や富士宮市などの森林の維持管理をする会社で働く、松永奈津子さんです。IT業界から林業に転職した松永さんは、これからの林業に必要なのは「発信力を高めること」だといいます。
<白糸植物園 松永奈津子さん>
「林業って知らないというか、働き方知られてないなというのが率直な感想です。知ったら多分、興味を持ってもらえるかなというのはある」
同じく林業の道を歩む伊藤朱駿さん(23)は、専門職大学を卒業してこの業界に入りました。木を伐り出すまでにも、様々な工程があり、仕事は大変ですが充実感があるといいます。
<白糸植物園 伊藤朱駿さん(23)>
「自分の成長が実感できているなというのが、いまのところやりがいに繋がっている部分でもあります。林業を盛り上げるという意味でも(新規就業者が)来てくれるならうれしいなと思います」







