週末から11月17日にかけ全国各地でクマによる人的被害が発生しています。被害者数が過去最多のペースで増えている中、静岡県内でも警戒感が高まっています。
クマの被害が全国で相次ぎ、秋田県鹿角市の田んぼでは、16日午後3時半ごろ、クマに襲われた可能性がある身元不明の女性の遺体が見つかりました。一方、岩手県岩泉町では17日午前6時ごろ、住宅の敷地内にある柿の木に成獣1頭と子グマ1頭が出没しました。
こうした中、環境省は17日、2025年4月から10月末までの間にクマの被害に遭った人の数が全国で196人に上ったと明らかにしました。統計開始以降、最も被害者数の多かった2023年度を上回るペースで増加していて、これまでに13人が死亡しています。
静岡県内では、人的被害は確認されていませんが、県によりますと、目撃情報は11月14日までに125件確認されています。
こうした中、静岡県富士宮市では、子どもたちの秋の恒例行事に影響が出ています。
<大西晴季記者>
「富士宮市上井出です。中学校のそばでは、14日にクマとみられる動物の目撃情報がありました」
市によりますと、目撃した人は、すぐにその場を離れ、その後市が現地調査をしたところ足跡などの痕跡は見当たらなかったということです。しかし、目撃情報を受け、近くの保育園は、17日と18日に予定していた近所でのサツマイモ掘りの体験を中止にしました。
<上井出保育園 佐野恵美子園長>
「子どもたちも父兄の方も楽しみにしていたので本当に残念。やっぱり安全第一ということを考えると、もう致し方ないのかな」
保育園では、建物の外での活動を短くし、散歩に出る際は、鈴やブザー、簡易的な防犯スプレーを職員が身に付け、いざというときに備えています。
<迎えに来た保護者>
「(目撃情報が)子供が通っている園の近くなので、非常に怖いなと。職員もなるべく多くつけて行ってくださっているようなので、そこは安心」
保育園は、今後さらに強力なクマスプレーの購入やマニュアル作成を進める方針です。
<佐野園長>
「職員もまずは自分たちを守らないと子どもも守れないので、そこはちょっと気をつけていきたいなと思っている」
全国で人的被害が出る中、県内でも自分事と捉えて準備する必要がありそうです。







