「ゆっくりすべり」のデータから「地震活動の特徴」が見えてきた

楠城特任教授は、海底地震津波観測網によって収集した南海トラフのゆっくりすべりのデータから、ある特徴を発見しました。

<静岡県立大学 楠城一嘉特任教授>
「青で書かれているような地域はスロースリップイベントで、このプレート境界がズレたことによって、ぐっと力がかかるような地域になります。逆に赤で示したところは力が抜けるような地域になります。地震活動を見ますと、力がかかる地域では比較的小さな地震が少なくなって比較的大きな地震が起こるような傾向が見えてきました」

紀伊半島沖の南海トラフを上から見た図で、この特徴が分かります。ゆっくりすべりが発生すると、力のかかるエリア(エネルギーが増加する地域)は小さな地震が減って、比較的大きな地震が目立つようになります。一方、力が抜けるエリア(エネルギーが減少する地域)を見ると、小さな地震に対して大きな地震の占める割合が小さくなることがわかったということです。