静岡県牧之原市の川崎幼稚園の園児バス置き去り死事件を受け、静岡県内の保育施設でも園児の置き去りを防ぐための対策が見直されています。職員は、通園バスの乗り降りの際の確認を園児は万が一、車内に取り残されてしまった場合を想定した訓練が行われました。
静岡市駿河区の南八幡幼稚園です。およそ20人の園児が10月5日も通園バスを利用しました。
<確認作業>
「10人そろいました。確認終わりました」
南八幡幼稚園ではこれまでも、乗車する園児と名簿を照らし合わせる作業を行ってきましたが、今回の事件を受け、職員同士の声かけ確認の作業を加えたといいます。
<運転を担当する職員>
「あの事件以後は、分かっていても声をかけることが多くなった」

登園アプリを利用した出欠確認の作業もさらに念入りに行うようになったといいます。アプリの出欠状況と名簿を照らし合わせる作業は、午前10時からの「朝の会」で実施していましたが、今は午前9時15分にグラウンドでも点呼を行い、出欠確認の機会を倍に増やしました。
<松本幸真園長>
「事故前からアプリを使いながら出欠の見落としはないようにやっていたのは事実だけども、事故を受け、より意識が高くなり確認の回数が自然と増えた」

万が一、園児が車内に取り残されてしまった場合を想定した訓練も行われました。
<教員と園児のやりとり>
「みんなが車の中に取り残されちゃったら、みんなだったらどうする?」
「プープーって鳴らす」
「窓から出る」
沼津市と市内のバス会社などは毎年、希望する幼稚園や保育園などを対象に路線バスの利用方法を教える講座を開いていますが、15日は川崎幼稚園の事件を受け、車内に園児が取り残されてしまった想定でクラクションを鳴らし、助けを求める方法を指導しました。力が弱く、鳴らせない園児は水筒やおしりでクラクションを押す方法も習いました。

<園児>
「クラクションを鳴らす」
「手と水筒で押す」
「できそう」
<霊山保育園 松尾文子主任>
「取り残されないようにちゃんと確認をすることが一番だと思うんですけれども、もしもの場合は、自分で身を守るということで、いい体験だったかなと思います」
幼い命をどう守るのか?悲惨な事件が問いかけるものをそれぞれに受け止め、模索が続いています。