選手のバス移動を続けていく

松下:球団の経営面、経営戦略についても伺いたい。まず、今季の観客動員について。開幕3連戦は非常に多く観客が入ったが、それをも上回る観客がシーズン終盤に向けて集まるようになった。

池田:当初の目標はホーム72試合組まれていたので、1試合平均700人で、シーズンで5万人は集めたいところを最低限の目標として始めた。雨で中止があったりしたが、63試合開催して、1試合平均866人、5万人を超えるお客さんに集まっていただいたというところで、最低限の目標はクリアできたかなと思っている。

開幕戦は1,600人ぐらいだったが、最終戦は2,300人と多くの観客に集まっていただけた。認知活動がうまくできていなかった中、シーズンを通して徐々に野球ファンに、街のみなさんに注目していただき、球場に応援に行こうかなというふうに思っていただき、最後集まっていただいたと思う。来季はそこももっと伸ばしていきたい。

松下:施策のひとつが県民無料招待だったと思う。草薙球場で行われた巨人戦にはたくさんの人が集まったが、来季も県民デーは行うのか。

池田:今シーズンの県民デーは静岡県との連携事業だったが、また、県とは話し合っていきたいと思うし、また、静岡市とかそれぞれで試合がある球場の自治体とは、相談していきたいと思う。まずは一度でも試合を観に来ていただくことが大事だと思っているので、無料開放というよりは、各試合枠を設けて招待させていただくというような活動は来シーズンもやっていきたい。

松下:県民デーへの手ごたえは

池田:告知する方法があまり強くなくて、自分たちのSNS、ホームページでしか募集告知ができないので、どうかなと思ったが、それでもやっぱり1日、2日で(募集枠が)埋まる。5,000人の枠が一週間に埋まる。そういう意味では、野球ファンに少しずつ浸透してきてるんだなというのは実感している。告知の方法などは考えながらやらなければいけないが、またやれば、絶対来ていただけるというところはあるかなと思う

松下:ファンとの関わりという部分では、清水の駅前商店街で行ったファン感謝デーには約300人のファンの方に集まって交流していた。新球団にとってファンの存在は

池田:本当にありがたかった。もう毎回来ていただくファンがたくさんいて、いつも叱咤激励いただいて、ファン感謝デーは300人となっていたが、のべでいうともっと来ていただいた。ファンに支えられて今シーズン戦ったんだなっていうのをファン感謝デーで実感した。こういったファンをさらにもっと増やしていかないといけないとさらに思った

松下:老若男女、幅広いファン層がいると感じた

池田:年齢層は本当にバラエティ豊かにいつも球場に来ていただけるので、野球熱は本当に高い。子どもが少ない点は気になっているが、決して観に行きたくないわけではなくて、野球をやっている子は土、日に(所属するチームで)試合しているから来れなかったと思うので、来季はナイターが増えるので、観に来ていただけるのではないか。

松下:スポンサーはプロ野球の球団経営としては大きな部分になると思う。池田球団社長自ら営業活動されている姿も多く目にしてきたが、現状での手応えは

池田:今季は約15社に協賛いただいたが、立ち上げながら、試合運営をしながら、同時進行でやっていたので、うまく営業できなかったところもあるし、(球団が)立ち上がるまで「本当に立ち上がるのか」というに疑いの目で見られていたところもあるので、やっと「本当にできたんだね」と分かっていただきながらの営業スタイルだった。

いまは営業は専任担当がいて、どんどん回っているが手ごたえはある。本当に少しでも多くのみなさんに応援いただけるように、協賛いただけるように努力していく。来季に向けては、そこを増やしてかないといけないと思っている。

松下:資金面という面では、今シーズン、選手の移動はバスだった。12球団の選手だと飛行機や新幹線での移動だが、「広島までバスで行きました」みたいな話を選手が笑いながらしていたのが印象的だったが、来季はどうか

池田:そこは変わらない。ウチは大前提として、育成して、再生していくチーム、考え方としてはアメリカのマイナーリーグ、2Aや1Aぐらいのところ。ウチで満足してもらっちゃいけない、とにかく1日でも早く、セ・パに戻ってもらわなきゃいけないチームなので、経営との両立という意味合いもあるが、そこは厳しい環境でやっていきたい。やらざるを得ない部分もあるが、そこは変わらず、選手には厳しい環境になるが、バス移動を続けていく