園児置き去り事件後、休園が続く川崎幼稚園ですが、静岡県の牧之原市は9月9日、この園に通う園児全員の一時的な受け入れ先を確保したと発表しました。一方で、運営する学校法人は川崎幼稚園を除く3つの業務から退く意向を示し、幼児を預ける保護者からは不安の声が上がっています。
学校法人・榛原学園が運営する牧之原市内の系列の施設には9日、川崎幼稚園に通う園児168人のうち32人が一時的に登園しました。入り口では顔なじみの川崎幼稚園の職員も園児たちを迎えました。
牧之原市が設置した相談窓口には、8日までに川崎幼稚園の利用者から転園などに関する相談が28件寄せられたということです。事件を受け、9日に臨時で開かれた市議会・全員協議会では、川崎幼稚園に通う園児全員の一時的な受け入れ先を確保したと報告されました。
<牧之原市 杉本基久雄市長>
「市内の認定こども園等に希望によって振り分ける形で対応したい」
牧之原市内にある10の保育園などと調整した結果ですが、園児の人数に対して職員が不足することや通園の距離など多くの課題が残ります。
川崎幼稚園の園児の一時受け入れ先が決まる一方で、別の問題も生じそうです。
園を運営する学校法人「榛原学園」が川崎幼稚園を除く3つの業務から退く意向を示したことも報告されました。
退く意向を示したのは
▼指定管理者となっている「細江保育園」
▼市が建物と土地を貸し出し榛原学園が運営している「静波保育園」
▼市と業務委託契約を結ぶ「子育て支援センターみらいえ」です。
市もこれを受け入れる方針で、これらの施設に幼児を預ける保護者からは、「報道で初めて知った今後への不安を感じる」といった声が聞かれました。遺族が園の廃止を望んでいる認定こども園「川崎幼稚園」の今後については言及されていません。