静岡県静岡市駿河区に2022年6月オープンした店「魅縲(みるい)」。店内はお洒落で開放的な空間。手作りカップケーキのテイクアウトもできます。
店の一押しメニューが「魅縲の野菜小鉢プレート」。バルサミコ酢もずくと焼き茄子。ゴーヤとジャガイモのピューレ。自家製がんもなど。その時期、旬の静岡県内産の野菜をふんだんに使ったオリジナル料理が味わえます。お客さんの反応は…。
<客>
「気分が上がります。おばんざいみたいな。普段あまり食べないので久しぶりに上品な食事をしてる」
「一つ一つの味が生きていてでもやさしい感じで探しながら食べるのも面白いしいろんな意味で満足度が高いです」
腕をふるうのは栗田紗織さんです。
<栗田沙織さん>
「想像つかないような組み合わせで合うんだとか意表を突いたものをなるべく提供できるように。食事を楽しめるようなことはいつも意識してメニューを考えています」
野菜が大好きだから、このプレートを作ったという栗田さん。野菜好きになった理由は、幼い頃の思い出にありました。
<栗田さん>
「小さいころから実家でおじいちゃんが農業で野菜を育てていた。私はトマトがすごい好きで、おじいちゃんが『トマト採れたぞ』って持ってきてくれて、そのまま洗って採れたてを丸かじりするのが好きだった。おじいちゃん子でした。幼稚園の頃からおもりをしてもらっていた。愛情の塊」
しかし、2021年の年末、91歳になる喜久夫さんが体調不良で入院。
<栗田さん>
「危ない状態だったので、母親と話したときに、最悪のことを思っちゃって泣いてました。『このお店ができるから、もう少し頑張ってほしい』みたいな感じで、すごい短い文だけど手紙を渡した」
そんな中、無事にオープンを迎えた栗田さんのお店。おじいちゃんの体調も徐々に回復し、一番最初のお客さんとして、もてなすことができました。
<栗田さん>
「照れくさい感じと緊張と、ずっとうれしかったです」
その時おじいちゃんに食べてもらった料理がこのスパイスカレー。もちもちとした発酵玄米と10種類のスパイスが入ったルーはピリっと、またほんのりとした甘さが特徴です。
<栗田さん>
「カレーは完食してくれました。いまは食が細くなってるので『ご飯の量は減らして出して』って言われて出したんですけど、すごいうれしかったですね」
おじいちゃんがきっかけで大好きになった野菜で作った創作料理の店。これからの目標聞かせてください。
<栗田さん>
「料理もまだまだ勉強中なので、ランチの営業をしながら料理のことも、もっともっと勉強して夜のコース料理をいつかやれたらなと思っています」