長野県軽井沢町で起きたスキーツアーのバス事故から8年となった15日、遺族や国などの関係者が、慰霊碑の前で再発防止を誓いました。

軽井沢町の国道18号・碓氷バイパスの事故現場を当時19歳だった次男を亡くした田原義則(たはらよしのり)さんが訪れました。

花を供えた慰霊碑に手をあわせ、事件を風化させないと誓いました。


田原義則さん:
「あの日の出来事を決して忘れないでほしいですし、二度とあんな事故が起こらないようにしてほしい」

事故は2016年、都内から県内に向かっていたスキーツアーの大型バスが、カーブを曲がり切れずに道路脇のがけ下に転落。

大学生13人と運転手2人のあわせて15人が死亡しました。

長野地裁は2023年、事故を未然に防ぐための注意義務を怠ったなどとして、業務上過失致死傷の罪に問われたバスの運行会社の社長と運行管理者だった元社員に実刑判決を言い渡しましたが、両被告が控訴しています。


田原義則さん:
「何が起こっていたのかというのが一審では不十分。(被告に)あまり話していただけませんでしたので、話してもらえるような問いかけも(したい)」

午後には、軽井沢町役場で遺族と国土交通省、日本バス協会などによる意見交換が行われました。

国は、今年4月から貸し切りバス事業者に対し、安全に関わる書類の保存期間の延長を求めるほか、アルコール検査の際の写真撮影を義務付けるなどし、安全強化を図る方針です。

一方、今年4月からは運転手の時間外労働の規制が厳しくなり、ドライバー不足に拍車がかかると予想されています。


國場幸之助(こくばこうのすけ)国土交通副大臣:
「人手不足の関係もありますので、究極的に安全を担保するのは人間でありますから、人員の確保環境づくりにも国交省として力をいれていきたい」

同じような事故を二度と起こさないために、何ができるのか…実効性のある対策が求められています。