スモールステップで…

奥村助教授は「場面緘黙」の克服に有効なのは不安を下げることだと指摘します。そのために使われるのが、「スモールステップ」という方法です。

信州大学学術研究院教育学系・奥村真衣子助教:「話せる人だったり、場所だったり、活動だったりというのを徐々に増やしていく。まずは低い不安のところで目標を立てて、それに取り組んでもらう。うまくいったら不安は下がる、不安が下がるともう一段階上の目標にチャレンジできる。徐々に段階を上げて最終的な目標とするところに到達するっていう方法をとっていく」

伊藤さんも「スモールステップ」に取り組んできました。

母・久美さん:「この時は先生に質問してもらって答えるって感じだったっけ?」

伊藤さん:「質問ボックスみたいなのを用意してもらって、前日に引いて、家で録音して学校に持っていって聞いてもらう練習」

取材を始めて半年ほど、伊東さんはカメラの前で自分の声で話してくれるようになりました。

伊藤さんが記していたコミュニケーションの記録。誰とどんなことを話したか、その「不安度」が細かく記録されています。日を追うごとに徐々に不安が下がっていったことが分かります。

伊藤さん:「話す前っていうのはすごく緊張するんですけど、ひとつ乗り越えたっていう経験がハードルを下げてくれる」