2016年1月15日、長野県軽井沢町で起きたスキーツアーバス転落事故から間もなく10年を迎える。大学生13人と運転手2人の計15人が死亡した現場で、当時の捜査幹部たちは何を見て、何を感じ、どう捜査を進めたのか。

10年を経て明かした捜査の舞台裏と事件に向き合った警察官たちの思いとは。

「課長起きてください」 深夜の緊急出動

2016年1月15日午前1時52分頃、軽井沢町の国道18号碓氷バイパスで、スキー客を乗せたバスが道路脇の崖下に転落した。

当時、軽井沢警察署の交通課長だった塩入一清さん(現:佐久警察署副署長)は、残業などがあり警察署の2階で休んでいた。

当直の責任者が上がってきて「ドアをドンドンドンと叩いて課長起きてください、碓氷バイパスで事故です」と伝えられた。