長野県北部の県境を中心に今年は豪雪となっていますが、小谷村ではあの特産品に異変が起きています。

猪又実(いのまた・みのる)さんは、豪雪地の小谷村で、農業を営んでいます。

この時期、旬を迎えているのが、雪の下で育てる「雪中キャベツ」です。

しかし、今年は異変が…。

猪又実さん:「3センチくらいは本来は上に(高さが)あるはずです。横に広がっちゃってますね」

キャベツが雪の重さでつぶれて、『円盤型』になっています。

猪又実さん:「これは今までで無かった経験ですね」

その実態を見るべく、猪又さんの畑へ向かいました。畑に積もっていたのは、例年の倍=2メートルほどの雪。

猪又実さん:「うちらが掘る前の一番やばい時は、(積雪が)4メートル行くか行かないかくらい」

収穫は、先月下旬に終えましたが、まだ雪の下に残るキャベツがあるということで、猪又さんに探してもらいました。

掘り進めておよそ10分。

猪又実さん:「あった!ほら!ラグビーボールみたいでしょ?」

含まれる水分の量によっては、1立方メートルあたり300キロ以上にもなる雪の重み。

今年は、およそ3000玉を収穫しましたが、200玉ほどがつぶれて商品になりませんでした。

猪又実さん:「違いますよね。えぐみがないというか。これがなければ僕ら頑張らないです」

凍ってしまわないように、糖分が増すという雪中キャベツ。
恵みの雪との戦いも、農業の難しさとなっています。