埼玉県八潮市の道路陥没事故を受け、長野市で31日、下水道管の緊急点検が行われました。

長野市箱清水では、専門業者が下水道のマンホールの蓋を開け、内部の硫化水素の量などを測ってから中に入り、亀裂や腐食がないかを点検していました。

八潮市の道路陥没事故では、下水道管のつなぎ目で、汚水が流れ落ちる際に空気に触れることで硫化水素が発生し、内部が腐食しやすくなっていた可能性が指摘されています。

事故を受け、長野市は30日から下水道管に高低差がある場所など、およそ60か所の緊急点検を行っています。

長野市下水道整備課・塩野入渉(しおのいりわたる)さん:
「一番は落差で水がはねた時に硫化水素が発生してしまって、それが原因でマンホールの腐食が進んでしまうのが一番考えられる課題です」
「この場所については問題はありませんでした」

八潮市の事故現場の下水道管は、内側の直径がおよそ4.7メートルと大型で、長野市には同じ規模の下水道管はないものの、中山間地ならではの別の課題があるといいます。

長野市下水道整備課 塚田明さん:
「距離が長いので1年かけて点検を実施しているので、なかなか素早い対応はやりづらいという課題はあります」

長野市内に設置されている下水道管は、総延長でおよそ2400キロ。

市の下水道課では、エリアごとに内部にカメラを入れて、7年に一度のペースで定期点検を行っていますが、範囲が広いため多くの時間を費やします。

市内では2022年度に地震などによる下水道管の破損が2件あり、このうち1件で15センチ程度の陥没が起きました。

硫化水素によるものではありませんが、今回の事故を受けて、不安な市民もいるといいます。

塚田さん:
「市民の方から4件ほどお問い合わせの電話をいただいております」
「そういったことがないように長野市では毎年1億円以上かけて点検の方は実施しております」

市の担当者は、下水道管が細くて長いため、別の問題もあるとして、市民に協力を呼びかけています。

塚田さん:
「いま一番多いのが油による下水道管の閉塞つまりというものが年間十数件くらい通報がきます」
「そういったところを少し気を付けて使っていただけたらと思います」