現職の県議会議員が妻を殺害した罪に問われていた異例の裁判員裁判で、23日、長野地方裁判は被告の犯行と認め、懲役19年の実刑判決を言い渡しました。
判決公判を取材した小口記者に聞きます。

宮入キャスター:
裁判所はどのような認定をしたのでしょうか。
小口記者:
裁判では、
1、被告人の所在・移動の状況
2、動機
3、現場の状況・痕跡
4、事件前後の被告人の言動の4つのテーマで争われました。
この内、現場の状況・痕跡については、弁護側が主張した物盗り犯にしては不可解な点が多く、その可能性は無いとした上で、現場に残された足跡などは偽装工作と強く推認されるとしました。
そして事件前後の被告人の言動については、一般質問の原稿の準備をしていたとする被告のアリバイについて、原稿ファイルを操作していなかったことなどから、アリバイ工作である確実性が非常に高いとしました。
裁判長は、これらを個別に見た場合には被告が犯人であるという決め手にはならないとしましたが、総合的に見た場合に犯人が被告以外であれば幾重もの偶然が重なり、可能性は空想的であり、丸山被告の犯行で無ければ説明ができないとして、丸山被告の犯行を認定しました。
今回の判決結果に、司法に詳しい元検事の飽津史隆弁護士に受け止めを聞きました。

飽津史隆弁護士:
「一つひとつの証明力は、まさに被告人が犯人であることを証明するとまでは言えないけれども、可能性というものをどんどん重ねていけば、限りなく第三者が関与していいる可能性はゼロに近くなるわけですね」
「ぎりぎりの一勝だったし、裁判所もぎりぎりまで証拠を吟味して、判断したことになるのかなと」
宮入キャスター:
丸山被告の様子は?
小口記者:
裁判長から懲役19年を言い渡されると、丸山被告は取り乱したりする様子はありませんでしたが、かなり汗を流していたようで、青色のタオルで何度も汗をぬぐっていました。
この日の判決に対し、弁護側が会見を開き、年内に控訴する考えを明らかにしました。

征矢芳友弁護士:
「さまざまな点で疑問が残る判決だと考えております。やはり丸山さん自身も判決には納得されておりませんので、年内には控訴を申し立てる所存であります」