妻を殺害した罪に問われている元県議会議員の裁判は、11日から、最後のテーマ=「事件前後の被告人の言動」についての審理が始まりました。
「一般質問の準備をする」
殺人の罪に問われている塩尻市の元県議・丸山大輔被告が、事件の前日、同僚に語ったとされる言葉です。
丸山被告は3年前の9月29日の未明に、塩尻市の自宅を兼ねた酒蔵の事務所で、妻の希美(のぞみ)さん当時47歳を殺害したとして逮捕・起訴され、一貫して無罪を訴えています。
裁判は11日から4つあるテーマの最後にあたる「事件前後の被告人の言動」についての審理が始まりました。
検察側が冒頭陳述で主張したのは、丸山被告によるアリバイ工作です。
事件前日の夜、丸山被告は長野市の議員会館で同僚たちと酒を飲んでいましたが、翌日の県議会の「一般質問の準備をする」と話し、自分の部屋に戻りました。
検察側はパソコンを起動したあと塩尻市に向かい、犯行のあと、朝5時すぎに議員会館に戻って原稿のファイルを開いたと指摘。

パソコンの解析結果から、最後に原稿に文字を打ち込んだのは事件前日の未明で、その時、すでに原稿は完成していたなどと指摘しました。
一方、弁護側は、丸山被告は原稿を仕上げる構想を練ってから宿舎で就寝したと主張。
原稿は、最後に自分の考えを述べる部分が書かれていないため完成しておらず、アリバイ工作とは言えないなどと指摘しました。
さらに、翌朝、部屋着姿の被告が部屋から出てくるのを見たという、同僚議員の証言を証拠として示しました。