イブニングニュースでは、シリーズでエリアの防災について考えます。2回目は家屋の倒壊についてです。

命守るために出来ることの一つは「耐震化」

「非常に揺れています。揺れています。立っていられません」
「大きな横揺れで、建物が大きく揺れています」

元日に、石川県で最大震度7を観測した能登半島地震です。街の風景は一変し、中には原型をとどめていない家屋もありました。

住宅・建物の倒壊で、多くの死者も出ました。これまでに、石川県では2万棟以上、新潟県では4000棟以上などの住宅被害が分かっています。

岡山大学で耐震構造設計学を専門としているハモード准教授は、倒壊の原因の一つとして、建物の「耐震性」を指摘します。

(岡山大学 アルワシャリ ハモード准教授)
「今の写真やニュースを見ると、古い建物が壊れている。設計するときに古い基準だったから、壁の量が少ないとか、柱が少ない。倒壊の可能性が高くなる」

あなたの家は「新耐震基準」満たしていますか?

ハモード准教授が指摘する「基準」とは、1981年6月1日に改正された「新耐震基準」のことです。数百年に一度発生する大地震に対して倒壊・崩壊しないことを設計時に検証する必要があり、さらに建築の際壁などの耐震基準が強化されました。

しかし、1995年に発生した阪神・淡路大震災では10万棟以上の建物が全壊、14万棟以上が半壊するなど極めて甚大な被害となりました。

内閣府によると、犠牲者のほとんどが「建物の倒壊などによる圧迫死」だったということです。さらに倒壊した建物の97%が、旧耐震基準で建てられた建物だったことが分かっています。