田邊さんもメタバースにびっくり「医者ってこんなこともするんだ」
この日、岡山大学に田邊さんがやってきました。
「患者の治療に対する不安や恐怖心を少しでも和らげたい」…それが、医師として田邊さんの治療にも携わり、多くの希少がん患者と接した長谷井准教授がメタバースを開発したきっかけでした。

(元希少がん患者 田邊凌さん)
「すごくいい意味で親しみやすかったので『なんでも言える先生』だなって」
「こういうメタバースを作って交流会を開こう、というのは初めて聞きました。医者ってこんなこともするんだってびっくり」

仮想空間内で話せる「さらなるメリット」も
今では、東京や大阪・青森・石川など全国9施設に試験導入されているメタバース。
闘病を経験した田邊さんは、オンライン上で患者同士が「対面」でコミュニケーションを取るより、仮想空間内で話をするほうがメリットが大きいのではといいます。

(坂井亮太キャスター)「実際に入ってみてどうですか」
(元希少がん患者 田邊凌さん)
「画期的だなと思いました。やはり治療中だっりというのは髪の毛が抜けたり、顔がむくんだりとか。僕はずっとパジャマでベッドの上で生活していたので」
「アバターを使うことによって、自分の外見とかを気にすることもなく、他の人とコミュニケーションが取れるので、すごく良いなと思いました。気軽に参加できるのがいいなと思いました」


今の子たちはメタバースでの会話のハードルが思った以上に低い」
(岡山大学学術研究院医歯薬学域 長谷井嬢准教授)
「世代ですよね。いまの子たちは、ゲームの中で会ってコミュニケーションを取ったり、という文化がかなり日常的にどこでも見られるような状態に世の中がなったということを加味すると、こういうメタバースでほかの子と話すということのハードルが、大人が考える以上に子どもたちは低い」
「今後は病院とか施設ですよね、そういう所に広げていってということを期待してます。将来的に全国的に広がっていけばいいなと」

長期の入院を余儀なくされる闘病生活に新たな技術で、「ひとときの潤い」と「心の交流」を、というこの取り組み。今後は、メタバースを「全国の患者やがんを経験した人の集う拠点にしていきたい」ということです。
