猿知恵とあなどるなかれ。各地でサルによる農作物の被害が増加しています。この状況を打破しようと、真庭市では住民が集まって地域ぐるみでサルを防ぐ柵の設置に乗り出しました。

集まった住民から聞こえてきたのは、被害の深刻さを訴える声です。


(住民)「サルは人間が食べるものは全て食べます。壊滅します」

「ほんの一瞬のすきに集団でかぼちゃが全部とられる」

水をたたえた水田が輝く、真庭市の中谷地区。地域を上げてサルの被害を防ごうと住民が立ち上がりました。専門家の指導を受けながら、サル侵入防止の柵を設置しました。

(住民)
「サルは掴みやすいものを掴む、のぼる時に支えになるものに手をかけている。」

中谷地区には、野菜をはじめもち米の「ひめのもち」などが植えられています。去年の夏ごろからサルが食い荒らすようになり被害が深刻化していると言います。

岡山県の調査では、2020年のサルによる農作物の被害額は約2500万円に上り、前の年より4割近く増加しています。個体数や生息エリアも拡大しているといい、県は調査や捕獲を強化する方針を打ち出しています。

(リポート 赤松卓朗 記者)
「柵は1.5メートルほどあり、メッシュ柵と電気柵を組み合わせています」

設置するのは、メッシュと電気柵を組み合わせた「複合柵」。サルのように登って柵をのり越えようとする動物に効果が高いと言われます。

費用は岡山県と真庭市からの補助を受けた取り組みです。5年かけて、地域の農地に柵を設置する予定です。

(真庭市黒田地区 戸田善雄さん)
「サルが実際に柵に当たって、そこから近づかないというのを目の前で見ました。これがすごく効果があると思います。みんな早く柵を設置して被害を防ぎたいですね」

(野生鳥獣対策連携センター 阿部豪 専務)
「山の緑が、人間の手が入らないことでどんどん回復してきている。その中で動物が安全に暮らせるエリアが広がってきている。それに伴って動物の数は増えている。今ここで止められるかどうか試されている」


地域一丸となった対策で、被害は食い止められるのか。人とサルの終わりの見えない闘いです。