触ると水ぶくれなどの症状を引き起こすおそれがある昆虫が、岡山市中心部の住宅街で見つかりました。その名は「ヒラズゲンセイ」。もともと四国などが主な生息域でしたが、近年広がっているといいます。

「赤みがかったクワガタ」のような特徴的な見た目から、子どもなども興味を持ちそうですが、触れないよう注意が必要です。

体長は2~3センチほど、黒くギザギザのあごをもつ「ヒラズゲンセイ」です。

体や脚の関節から毒を含んだ体液を出し、触ると水ぶくれを引き起こすこともあります。

今月(6月)7日、このヒラズゲンセイが岡山市北区西之町の住宅街で見つかりました。
(大野竜徳さん)
「このあたりでですね、ひっくり返ってジタバタしていた状態でした」

散歩中に見つけたのは、学生時代に岡山大学で昆虫の生態を研究し、現在は害虫を駆除する会社に務めている、大野竜徳さんです。
大野さんによりますと、「ヒラズゲンセイ」は幼虫の間クマバチの巣に寄生し、花粉を食べて過ごすといいます。その後成虫になると繁殖のため、6月から8月までの間は巣の外に出るそうです。

かつては四国や九州が主な生息地でしたが、温暖化により近年その生息域は広がっています。その中でも、岡山市中心部での発見は珍しいといいます。
(害虫の駆除などを行う東洋産業 大野竜徳さん)
「こんなに近くにいるんだと、びっくりしました。身近な生き物になると、どうしても目にも留まる。目に留まると触ってみたくなって、被害がこれから出てくるかもしれないなと」

珍しさから、興味本位でうっかり触ってしまいそうですが…。

(東洋産業 大野竜徳さん)
「一番はとにかく見つけても触らないことですね。一番問題なのは、かまれたりすることではなくて、『体液が手とか皮膚につくと、水ぶくれを起こす被害』が出るんですけど、何も触らなければ、それは起こらないということですので」

【解説】
ヒラズゲンセイの注意点です。VTRにあった通り
・こちらから触らなければ特に害はないので、まずは触らない
・ヒラズゲンセイは飛ぶので、もし体にとまった場合はつぶさないように、そっと振り払う
・万が一、体液に触れてしまった場合はすぐに水で患部を洗い流す
・もし水ぶくれができてしまった時には皮膚科を受診する
こういった知識を持つことが、まずは大切です。