3つの仕組みが組み合わさって「選択」が起きる
今回、研究グループはタンパク質を免疫したマウスを用いて、免疫応答によって生じるB細胞・リンパ組織のプラズマ細胞・骨髄のプラズマ細胞を、それぞれIgM型とIgG1型(IgG型の一種)に分けて解析しました。
その結果、B細胞からリンパ組織のプラズマ細胞、さらに骨髄のプラズマ細胞へと分化・移行するにつれて、IgG1型の割合が段階的に増加することが発見されました。
この偏りを生む仕組みとして、以下の3つのメカニズムが明らかになりました。
① IgG型BCRによる高い抗原提示能力:IgG1型B細胞に発現するIgG1型B細胞受容体(BCR)は、IgM型BCRよりも効率よくT細胞に抗原を提示できます。その結果、B細胞がプラズマ細胞へと分化した後の増殖が促進されます。
② IgM型BCRのシグナルによる細胞死誘導:IgM型BCRから伝わるシグナルは、IgG1型BCRからのシグナルと比べて、プラズマ細胞の細胞死をより強く誘導することが明らかになりました。
③ IgG型プラズマ細胞の骨髄への移動しやすさ:IgG1型プラズマ細胞はIgM型プラズマ細胞よりも骨髄へ移動しやすく、この違いに関与する遺伝子の候補も同定されました。
これら3つの過程でIgG1型が優位になることにより、IgG1型B細胞はIgM型B細胞よりも多くの長寿命プラズマ細胞を生み出します。この仕組みによって、IgG1抗体がIgM抗体よりも長期間にわたって維持されると考えられます。










