激化する中国企業との競争
(高島大浩氏)
「一方で、中国企業との競争は確実に激しくなっています。
私はここ最近、日本企業が中国市場で直面する最大のリスクは、中国企業の著しい成長に伴う競争環境の変化によって、日本企業の市場競争力が相対的に低下することにあると申し上げております。
中国は、『中国製造2025』に代表される政策を通じて、長年にわたり製造業の競争力強化に取り組んできました。その結果、生産設備の近代化や生産工程の自動化が着実に進み、大規模生産によるコスト削減も実現しています。さらに近年では、価格競争力だけでなく品質面においても大幅な向上が見られるようになっています。
日本企業との関係において、象徴的なのが自動車産業です。
中国では電気自動車を中心とする新エネルギー車が新車市場の約半分を占めるまでに成長しています。中国企業のシェアが急拡大し、日系メーカーは厳しい競争にさらされています。
2019年に2割以上あった日系ブランドのシェアは2025年までには半減し、過去数年間で200万台以上のマーケットを失っています。
私はこの状況を『逆ガラパゴス』と呼んでいます。
市場が小さい国で独自の仕様がガラパゴス化するのではなく、中国の巨大市場そのものが世界標準を作り始めているのです。
中国企業は、自国市場だけではなく海外市場にも積極的に進出し始めています。特にASEAN地域への投資は近年急速に拡大しています。
中国企業は現地生産拠点を整備し、家電、電気自動車やリチウムイオン電池といった分野でサプライチェーンを構築しています。
かつて日本企業が圧倒的な存在感を持っていたタイやインドネシアでも、中国企業を最大の競争相手と考える日系企業が増えています。
つまり、日本企業にとっての競争環境は、中国内だけでなく世界市場にも広がっているのです」










