■「病的なほど気を付けていた」にも関わらず感染 後遺症も


人一倍、感染対策をしていたという男性です。

(男性)
「いやあもうあの…自分で言うのもなんですけど。病的なほど気を付けていたと思うんで。まわりのひとも認めるほどの、気を配っていたつもりです。(思い当たることってありますか?)特にないです。正直なところ、ないです。」

男性は、コロナそのものは軽症でした。しかし、その後も自分の近くにいた人が感染するなどでコロナが怖くなり、さまざまな症状が現れるようになったといいます。

(男性)
「いろいろ仕事も手につかなくなってきて。外に出るのももとから怖くて、だんだんそれが日に日に増してくるような感じがあって。人ごみの中に行くとかきむしったりとか。頭を壁にあてたりとかして、しないと、物事を考えられなくなったりとか。まったく寝られなくなって。普通じゃないですよね、やっぱり」

「仕事も手につかない」という30代男性


(岡山大学病院 大塚 文男 副病院長)
「やはりこのご自身の場合は非常に悩んでいらっしゃるのが睡眠とか、不安とか、不穏といったものなんですよね。それはなかなかそばにいる人でないとわからない。で、コロナ・アフターケア外来に来てもらって、奥様からのお手紙とか状況だとか自分が寝ているときの状況とかを含めて判断して、やっぱりこれは普通ではないと。これは感染がおきてからの問題だということで、後遺症と考えるべきだと判断して、ほかの症状と一緒に治療していく必要があると考えて、治療しています」

男性が願うのは、一日も早い回復。そして後遺症に対する社会の理解が進むことです。

(男性)
「薬に助けてもらっているので、早く薬から卒業して、普段通りの生活が送れるようになるのが一番いいなと思っていますし、いろんなケースがあるんじゃないかなと思うので、喉が痛いのがずっと残っているとか、味覚障害が残っているとかっていう人もいれば、精神的に弱っているっていう人も中にはいると思うので。いろんな症状があるんだっていう理解が深まればいいんじゃないかとは思います」

「新型コロナ後遺症への理解が進めば」という思いで…


(岡山大学病院 大塚 文男 副病院長)
「後遺症っていうのはさまざまなんですよ。自覚症状が中心なのでわかってもらえないということが一番つらい。匂いも、味もご自身しかわからないですよね。それを客観的に評価するのは難しいんですよね。それをどうわれわれが言葉を変えてあらわしてあげるか、それが大事なんですよね。社会がわかってあげないと誰もわかってあげられないので。社会がどう支えていくかが次のステップかなと思います」