小さな凧が連なった「連凧」を、30年以上にわたり各地であげている島根県の男性がいます。「子どもたちに笑顔を」と、倉敷市の下津井にもしばしば訪れ、交流も生まれています。男性自身も「救われている」という連凧の魅力とは。

■港町の青い空に悠々と漂う 100枚の連凧
(子ども)
「高い。めっちゃ高くて宇宙までいきそう。」

糸を操ればさらに高く…見ている者の心も、空高く連れて行ってくれるような連凧が上がりました。この日は晴天に恵まれました。
倉敷市下津井を訪れたのは、島根県大田市に住む尾崎 利文さん(70)です。

(やりとり)
「風が違う」「こう?」「こう」
「瀬戸大橋をバックに凧揚げができるってね、最高だね。」
多いものでは100枚以上にもなる連凧を手作りしている尾崎さんです。風を読み、巧みに糸を動かします。
■下津井特産の「タコ」の「凧」 下津井を訪れたきっかけは…

下津井特産のタコが描かれた連凧も。これは土産物店から譲り受けたある物から作ったのだといいます。

(尾崎 利文さん)
「レジ袋、タコのマークの入ったレジ袋があって、それで、あ、これは連凧にしたらいいんじゃないかと思って。」

2020年3月。好きな演歌、中村美律子さんの「下津井 お滝 まだかな橋」の歌詞をきっかけに、下津井にふらりと立ち寄りました。以来、生まれた縁を大切にたびたび訪れています。

(尾崎 利文さん)
「ごそっと分けてもらって、ほんならいっぺん下津井に来て揚げてみいやという感じで、それからこちらへ寄せてもらうようになって。」
(信和 篠原 義彦 社長)
「まさか連凧ができるとは思わなかったです。こうやって交流が生まれるというのは?大変嬉しいです。」
■「子どもたちに笑顔を」願いを込めてあげる連凧

(尾崎 利文さん)
「行こうか!」

いい風が吹いてきました。岡山では初めて揚げるという青と黄色の連凧です。ウクライナに一日も早く平和が訪れるよう…願いを込めました。
(尾崎 利文さん)
「子どもたちの悲しいニュースしか流れないじゃない。われわれが、最初凧を作ろうってみんなで一緒に遊ぼうと言った、やり始めというのが子どもたちの笑顔というのが、一番の目的であって。」